貴方色・六


次はとうとう惷香の番なのだが

如何せん


皆の選んだ服に夢中になってしまって探せていない








「惷香は何かないの?」


「え…?」


「着て欲しいのがあれば今の内ですよ?」


「あ…いや…」









戸惑う惷香を見て三蔵は








『着せ替え人形じゃねぇ』








と、自分で近くにあった白いシャツに黒い細目のパンツを選び


さっさと着替えてしまった


軽くガッカリする惷香に
悟浄と八戒はヤレヤレ
と苦笑いをした



惷香も自分の着替えを探し
淡い桃色の和服に目が止まった


白い華模様が惷香の黒い髪に栄え
また淡い桃色は色白の肌に華やかさをもたらせた


着物の袖を持ち上げ
頬を染めて見つめた








『素敵…
だけど動きづらいし
値段も高いかな…』


と諦め、違う服をと振り返ると
4人がその着物を覗き込んだ








「……!?」


「これは似合いそうですね」


「惷香にピッタリじゃん!」


「悪代官ゴッコしてェなぁ」








スパーン!!









「いっ…てェな!
冗談に決まってんだろ!
まぁ半分は本気だがよ」








涙目で叫ぶ悟浄に三蔵は知らん顔をする





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