貴方色・五


カーテンの向こうからは
衣類の擦れる音だけが聞こえる


惷香は心臓が保つか
不安なのを隠すかの様に店内の服を慌てて探す








あ…このシャツ似合いそう―…




と、言うか皆三蔵じゃなく私で遊んでない……?









そんな事を考えていたら
カーテンが開いた


バッと振り返って三蔵を見る









着物 スーツ









次の 萌え服は!?









「これは何なんだ…」








フルフルと悟浄は笑いをこらえ

悟空は驚いた顔


惷香はポカーンと口が開く








「あ、三蔵先生
メガネ必須ですよ」








と、八戒はにこやかに笑う








それは
白衣。









「っっ――――!!」








惷香は開いた口が塞がらず


不満を言いながらもメガネをした三蔵を見て

声にならない声を出す








「如何ですか?惷香」








と、八戒はにこりと惷香の顔を覗き込んだ








「…いい…」









つい心の声がぼそりと出てしまった









「ったく、一々白衣着て
どうすんだアホ」









と、またもや却下









「残念ですねぇ」









と言いながらも八戒はただ
惷香の反応を見たかっただけだったのだが


翻弄される惷香は釘付け







.

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