貴方色・四
―1分後―
シャッ―…
カーテンが開いた三蔵の姿は
赤いワイシャツに黒地に白ラインの入った細身の
スーツ。
「ネクタイなんて面倒くせェんだよ」
と、頭を掻きながらネクタイを締める事なく首に掛けている
「―…っっ!!」
スーツも…
いい!悟空は三蔵の不満に
ちぇッと口を尖らせた
惷香の反応に悟浄は涙をこらえながら声を殺して笑い
八戒もカタカタと肩を揺らして笑っていたが
三蔵の法衣姿以外の珍しさに
惷香は釘付けだった
「こんな面倒な服はごめんだ
堅っ苦しいだろうが」
三蔵は溜め息混じりに眉間の皺をより深くする
「では次は僕ですね
僕は無難なのを選びましたよ」
と、三蔵に服を渡すと試着室に押し込めた
.
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