印・参


4人で色々と意見を出し合った








「確かさ味噌塗るといいんじゃないっけ?」


「それ火傷ですよ悟空」


「梅干しをこめかみに乗せるといいとか聞いたぜ?」


「え、それ何に効くの?」


「熱下げんじゃね?」


「首にネギを巻くのは有名ね」


「じゃ後で買い出しに行きましょう」


「とりあえず全部試してみよーぜ」


「大根とか喉にいいって!!」


「喉にいいのはレモンっぽくね?」


「混ぜたらいいじゃん!」


「僕はレンコンの汁は昔飲んだ事はありますよ」








色々考えを出し合い 近くのお店で買い出しを済ませると
宿屋の調理場を借り 早速調理に取りかかった




その後
悟浄が三蔵の部屋へと赴いた

そして寝ている三蔵のこめかみに梅干しを乗せ
味噌をおでこに塗り
首にネギを巻いた









「よっしゃ
これでオッケー」









悟浄は指をパチンと鳴らし
口笛交じりに部屋を出て行った


次に悟空が三蔵の部屋に入って来た

味噌が塗られ
こめかみに梅干しを付けられ
首にネギを巻いた三蔵を見て声を殺して笑い転げた

悟空は三蔵のベッドの横に湯呑みに入ったドス黒い飲み物を置くと
笑いを手で口を押さえ出て行った

そのドアの閉まる音で三蔵が目を覚ました








「ん…
くせぇ…な」









それもその筈
三蔵は起き上がると ネギを引き千切り
梅干しを床に叩き付け
味噌をおでこを冷やしていたタオルで擦り落とした








「あいつら…」









怒りで眉間の皺が深くなるが
熱で視野が歪み起きているのが精一杯だった

ベッドの横をフッと見ると桃缶と
得体の知れない謎の飲み物―








「何――だコレは…」








匂いを嗅ぐ
レモンに何か渋い香りがする








「殺す気かあいつら……」


そのまま棚に戻し
ゴソリと布団に潜り込んだ






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