風邪・五


朝起きると昨日の熱が嘘の様に下がり
ベッドから起き上がり背伸びをした


三蔵は椅子に座りベッドに腕を組み顔を埋めて眠っていた

惷香は毛布を三蔵に掛けベッドから起きると脱衣所で着替え
身なりを整え終わり部屋に戻った


その後棚にあった薬をしまい
荷物を整理していると三蔵が起きた








「ごめん
起こした?」


「いや
もう熱は平気なのか?」


「ええ
もうすっかり良くなった」








三蔵は襟を手で掻きながら立ち上がり
惷香の前に来ると頭にポンッと手を置いた








「心配掛けてんじゃねェよ
このタコ」


「うん ごめん」


「謝る所じゃねェ」


「うん ありがとう」








そう言うと頭に置いた手で整えたばかりの髪をグシャグシャと撫でる








「あッちょっと!」


「てめェなんざあの馬鹿猿と同じだ」


「ッもう三蔵!」









1階に降りると心配している3人が出迎えた








「お粥食べれたみたいで安心しました」


「食欲無かったんだけど
それでも食べれる位美味しかったよ
ありがとう八戒
ご馳走様でした」


「いえいえ」


「なぁなぁ惷香
俺桃缶朝一で買って来たんだけど…もういらないよね…?」


「悟空
ありがとう
まだ病み上がりだし食べたいから一緒に食べたいな」


「ホント!?
じゃあさじゃあさ俺開けて来るから待っててね!」








悟空は嬉しそうに台所へと走って行った








「惷香ちゃん
もう大丈夫なの?」


「悟浄
うんもう熱も下がったし大丈夫だよ」


「俺が汗かいたら拭いてあげよっかなーなんて思ってたんだけど
ザンネン」


「お断りしておく」


「そんなハッキリ言わなくてもいーのになァ
ま、病み上がりなんだし薬はまだちゃんと飲んどけよー」


「あ、あの薬悟浄が用意を?」


「ンな大した事じゃねーって
八戒のヤツお粥作るのは僕だけですし、お薬頼みます
なんて悪魔の笑みしやがってよ」


「全くだな」


「何だとォ?
この生臭ボーズ!」


「本当の事を言って何が悪い
鬱陶しい頭をしやがって」


「関係ねェだろォがよ!!」


「鬱陶しいから鬱陶しいと言ったまでだ
いっそのこと丸刈りにでもして来い
少しはマシにはなるだろう」


「ぜってー殺す!」


「ほぅ
やれる物ならやってみろ」


「悟浄 三蔵
まだ惷香は病み上がりなんですから静かにしましょうね
それと悟浄
悪魔の笑みってコレです?」


「ごめんなさい!!」








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