確かに胸元に抱えていたのは最近夢中になっていた本だった

筈―――



それが 本の表紙は真っ白で
中身を慌てて見ても 何も書いていない








「え…何…で?」









もしかしたらここに運んでくれた人がすり替えた…?

惷香は困惑した

その時 林の向こうから1人の人影がガサガサと現れた








「ん〜?君
だぁれ?」









その男は惷香に問いかけた








「あ、あの
あなたが私をここに運んでくれたんですか?」


「いんや〜僕は今初めてここに来たんだよ?
なーんか変な波動を感知したかと思ったんだけど…君が原因かなぁ〜?」








その男は頭をポリポリと掻きながら近寄って来た


何故かは分からないけど



本能がこの男は



【キケン】と言う。








「なら貴方は誰です?
私に何か用ですか?」


「あらららら
そんな威嚇しなくたっていいよ〜
痛い事なんてしないから」








男は両手を頭の上に翳し 手をパタパタとさせる





何だろう

この男の物言い…
キモチワルイ。





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