七拾八


新しい町に移動した日の出来事


ジープが熱を出し
八戒は買い出しに行けないと言うので悟浄と2人で買い出しに出かける事となった








「ったくよ――
何で俺がこんな事しなきゃなんねーんだ?
惷香も駒使いじゃねーっつーのにな?」


「そう? 私は別に構わないんだけどなぁ」


「謙虚だねー
まぁ俺たちゃ雑用係りじゃねぇっての
――あ?」









建物の間で何か騒ぐ声がしたのを悟浄が気が付いた


どうやら小さな子供と町のゴロツキの様な人間だった









「どこ行ってもこーゆーバカが居るんだよな
みっともないでしょ
お兄ちゃん達―」









悟浄はゴロツキを足蹴にしながら様子を見ると
怯えた子供が安堵した顔をした









「大丈夫?さ、こっちおいで」









惷香が子供を少し離れた場所に移動させると
アッと言う間に悟浄の足元にはゴロツキが倒れていた



子供に話を聞くと両親はいなくて双子の弟がいると言う

その子供は悟浄がいつもの調子で話をした


その子供は
三蔵 八戒 悟空の悪口を驚きながら興味を持っていた










…何故だろう

この子



おかしいと感じた


違和感―――












その帰り道









「ね…悟浄
あんなにあの子に話して良かったの?」


「へ?どういう意味だ?そりゃ」


「いや…何かおかしい感じがして…」


「まぁ変に聞いて来るわ、イタイ事聞いて来るとは思ったけどヨォ
相手は子供だぜ?」


「う…ん」


「どうした?」


「分かんないけど
何か嫌な予感がして…」


「気のせいだろ
お――
とりあえずひと通り買って来た―…」










ゴトリ









悟浄は部屋のドアを開けた瞬間荷物を落とした


悟浄の後ろを歩いていた惷香は









「どうしたの?」









と部屋を覗いた







.

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