七拾四


「紅咳児…!?」


「こんな所で何をしている?」









三蔵達を砂や崩落する建物から守ったのは紅咳児だった





八戒は気功の使い過ぎで倒れ込み
治癒の使える惷香は三蔵の毒を中和する為に力を集中した


しかし
紅咳児がいるとなると力を十分に発揮すり事も出来ずになかなか治癒が進まない








「ッ…はぁはぁ」


「ダメだ!惷香無理すんなよッ!」


「だけどこのままじゃ…!」


「いけません
彼らの前で制御装置を外すのは賢明ではりませんし
一応…敵ですからね…
しかも装置外さずに力を使うのは必要以上に疲労が堪えません
貴方の身体が保つ訳がない!」









八戒は真っ青な顔で悟浄の腕に寄りかかりながら惷香を止める



そんな中悟空が三蔵をオンブして街へと運ぶと言い出した


そのやり取りを見た紅咳児は勝負に勝ったら飛竜を貸すが


負けたら【魔天経文】を渡せ
と提案をして来た


そして紅咳児は問答無用で悟空に襲い掛かり

悟浄は独角児に戦いを挑む


両者引けを取らない中
三蔵を失いたくない想いから悟空は八戒にボソリと呟いた









「後で…俺をどーにかして止めてくれる?」


「悟空 まさか」


「俺今のままじゃ
アイツ殺せないから
だけど
負けられないから」


「悟空 いけな…ッ」


「頼むな」









そう言うと悟空の額から金鈷がポトリと落ちた――








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