七拾壱


それから街を後にし 再び西へと旅を続けた








「…あッ
ちィ〜〜〜〜」


「ただでさえクソ暑いのに
何でこんなカッコしなきゃなんねぇんだよ」


「砂まみれになりたきゃ外せばいいだろ猿
喋らせんなよ口ん中砂入る」









ジープで走るのは左右前後見渡しても砂漠
そんな中いつもの喧嘩が始まった


2人に挟まれながら 暑さで口を開けるのも億劫になり
惷香は終始黙ったままだった








「…なぁ
あれ人じゃない?」








ジープの中から悟空が遠くに見えた人影を見つけた








「おーいっっ
この辺の人だよね?」


「この砂漠抜けるにはあとどのくらいかかるかわかりますか?」


「ああ
この地図より今は砂漠広がっているんだ
抜けるには一晩くらいかかっちゃうよ」


「げっっ
マジで?」


「それは困りましたねぇ」


「お兄ちゃん達旅の人だろ?
この近くにオレ達の村があるんだ
泊まる所紹介してあげるよ」









彼の言葉で近くにある村へと移動し
宿屋へと入った

しかし 宿屋の店主が三蔵の法衣を見た瞬間に態度は一変

泊められないと追いだされてしまった


彼に事情を聞くと
1年前に三蔵法師が現れ
三蔵を狙う妖怪が村を襲ったのだと言う

三蔵はその妖怪の根城を彼に聞き突然行くと言い出した








「おい
ちょっと待てよッ
妖怪退治にでも行くつもりか?
正義の味方でもあるまいし」


「わざわざこっちから出向く必要ねェじゃん」


「でもこの村に三蔵がいると分かったらまた同じ事になるんじゃない?
しかも何か考えがあるみたいだけど…」





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