七拾弐


「な―――
本っっ当にここ?
何もないじゃん」


「あの男の子が北北東に5kmと言っていたからこの辺りの筈ですよ」


「三蔵を食べたっつー妖怪の居城は
砂の中なんだとさ」


「えぇ?じゃ掘る…とか?」








三蔵に理由を聞くと もしその三蔵法師が喰われたのならその三蔵法師が守る筈の
【天地開元経文】の1つがまだここにあるかもしれない


との事だった


そんな話をしている時
足元の砂が下へと動き出し身体が吸いこまれ始めた









「なッ…
何だよコレッ!!」


「げッ…
嘘だろ オイ!?」


「チッ 罠か…!?」


「クッ…
動けな…!」


「悟空!悟浄!
――ッ!」









ジープだけを残し
5人は砂の中へと飲まれて行った









気が付いた時には薄暗い地下牢の中で
八戒と悟空 悟浄が倒れていた









「八戒ッ!!
悟空!悟浄!起きて!!」


「ん〜飯?」


「寝ぼけてる場合じゃないよッ」


「ここは…」


「どうやら敵さんに歓迎されちまったっつー感じでもねェなぁ オイ」


「ね 三蔵は?」


「喰われる…んでしょうねェ」


「冗談言ってる場合じゃないってばッ!」


「これ…何の音?」


「オイオイついに幻聴かぁ?」


「カサカサって音が――」









見ると地下牢一辺にサソリ
抜けだすべく
悟空と悟浄は壁を壊し三蔵のいる部屋へと急いだ










ガウン ガウン―…








部屋に到着すると三蔵が妖怪をいたぶるかの様に

銃で手足などを撃ち抜いていた――









「こんな拷問めいたこと
お前らしくもねぇ…!」


「俺らしくない…?
俺らしいってどんなだ?」









すると悟空が三蔵の足を蹴り
正気に戻してくれた…


刺々しい空気が一変して
穏やかな流れになった

そして妖怪に以前食べた三蔵の経文について尋ね
妖怪に背を向けた時

妖怪の延びた爪が三蔵を




貫いた―――――






.

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