六拾八


皆の視線が惷香に集まる
隠す事は出来ない


しかし話していいかも正直分からない

どこまで話していいのかも…


そんな事を頭の中で巡らせていたら
三蔵があからさまに苛々し始めた









「おいッ
話って何だ3秒以内に話せ
3…遅いッ!!」


「2も言ってねーじゃん…」


「うるッせェ!」


「まだ私自身混乱しているんで…す
だから要点だけを摘んで話します」









惷香は頭の中で言葉にしていい事など整理しながら ポツリポツリと話し始めた









「私は昔ある世界で4人の男性と友達になりました
それは遠い遠い昔 まだ【惷香】ではなかった…」









惷香は俯きながら言葉を繋げる









「そう前世の話…」


「え 前世って何?
前菜?」


「だァってろ!」


「そこで私は1人の男性と恋に落ち
他の3人とも楽しく暮らしていた中…
離れ離れになってしまった」


「ロミオとジュリエットってトコか?」

「黙れ 殺すぞ」

「はい…」


「そして私も彼らも生まれ変わり
彼ら4人は偶然にも同じ世界に生を受けたが…
私だけは”ある障害”で離れた場所で生を受けた……」


「それが惷香の元の世界
なんですか?」









惷香はコクリと頷いた
その時注文の品がテーブルに並べられ
箸で摘みながら話する事となった







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