五

---

本に夢中になり
本に顔を近寄せた時

足が木の根に躓いた

体勢がグラリと前のめりになる








「あっ…！」









惷香はページをめくる方の手を無意識に地に着こうと前に出した


しかし そこには地がなく




惷香は崖から前のめりに



墜ちた。



本に夢中になり過ぎて 道を間違えて崖の上に来てしまっていた様だった









「――――っっ！！」









惷香は本を胸元でギュッと抱きしめたまま


崖の下に落ちて行った…






.

[ 6/201 ]
[＊prev] [next＃]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る

- ナノ -