その日の夜も 惷香は眠る事なくその本を読んだ

フと トイレにと立ち上がった時には夜が明けていたのだった







「ああ 寝ないで読んでいたなんて…」








惷香は窓の外を眩しそうに眺め 厠で用を済ませると朝食を軽く済ませ 日課である畑の様子を見に行った


畑の雑草を抜いて 育った作物を収穫する頃にはお昼を過ぎようとしていた


惷香は家に泥だらけの顔で戻ると 洗面所で顔を洗い 昼食を済ませ

本を持ち いつもの草原へと赴いた


朝起きてから本が気になっていたので 惷香は歩きながら本を読みだした


毎日歩く林

どこに木が出ているかも把握している
どこに崖があるかも把握している








つもりだった――







.

[ 5/201 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[栞挟]
書物一覧に戻る



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -