五拾


いくつかの岩場を越えた頃
崖の上から笑い声が聞こえて来た








「あーっははは!
見つけたぞ
お尋ね者の三蔵一行ォ!」


「これはこれは
また崖の上からとはヒーローごっこでしょうか?」


「あんな顔のヒーローがいたら子供が泣くわな
ヒーローはやっぱり俺みたいにいい顔してないとな」


「鏡見て来い
鏡も拒否して割れる」


「ンだとォ?」


「そんなのどうだっていーよ!
ボコけってーね!」


「妖…怪…!?」


「おい
お前は後ろに下がってろ」








三蔵はそう言うと銃に弾を込める









「邪魔だけはするな」








その一言に妖怪は一斉に襲い掛かって来たが
4人の強さに圧倒的な敗北をした








「つまんねーのォ
弱っちー!」









悟空は如意棒を頭の後ろで持つと
呆れたかの様に如意棒を消した







「まぁまぁ
ちょっとした運動と言う事で」









八戒も宥めながらも肩を左右に傾け暇そうな態度で答えた








「もう出て来ても大丈夫だぜ」








悟浄の1言で惷香は岩の陰から現れた



周りを見ると
いくつもの【妖怪だった物】が散乱している








「ッ……!」


「大丈夫ですか?
具合悪いなら少し休みましょうか?」


「具合って
惷香ちゃんどこか悪いの?
あ、生理?」


「悟浄
そう言うのは触れないべきですよ?」


「いいえ
あ、大丈夫…ですから…
本当に…」








口に手を当てたまま真っ青な顔で答える







「しかし…」









と八戒は心配そうに言うが三蔵は








「本人が大丈夫と言うならばいいだろうが
行くぞ」


「あ、三蔵」









八戒の声も聞かないまま三蔵は荷物を持つと
煙草に火を付け先へと進んで行った








「遠慮しないで下さいね?」








八戒は惷香の隣で心配そうに声を掛ける








「本当に…大丈夫ですから」








荷物を肩にグイッと持ち上げながら八戒に答えた

すると肩の荷物がスッと肩が軽くなる








「じゃ これ位はやらせてくれよ」








悟浄は惷香にウインクをして
惷香の荷物を持って先へと進んで行った








「悟浄…
ありがとうございます」


「疲れたらさ俺
オンブするから!
いつでも言ってよ、ね?」








悟空はそう告げると 恥ずかしそうに先に進んで行った








「皆心配しているんです
僕らは慣れていますが貴女は違うでしょう?
これから一緒なんですから
遠慮はナシ ですよ?」








八戒はニコニコしながら惷香の隣で歩幅を合わせて歩き出した








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