弐
その本に夢中になり過ぎた惷香は時間を忘れた
その本では金髪の垂れ目で口の悪い僧侶が
赤い髪の男と小さな金色の目を持つ男
また 片メガネの丁寧な口調の男の旅を描写されていた
惷香はその4人の男の性格や口調など
何か懐かしさを覚えていた
そして
とても寂しい気持ちへとさせられた
それは何故なのか
惷香は気付かずにいた
そして フッと体勢を変えようと本から目を離すと空はもう夕暮れになっていた
「あれ…いつの間にこんな時間……?」
惷香は読んでいたページに本のしおりの紐を挟むと本を閉じて
家路に向かう事にした
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