弐拾九


惷香は夢を見た


白衣で廊下を歩き
隣を見ると金髪で長い髪の男が歩いている


でも自分が俯いているせいで
首から下しか見えない――




彼が何か言っている







『……?』








何?聞こえないよ








すると白衣の男が近寄り
後から黒い服の男が駆け寄って来た


相変わらず顔を上げずに何か会話をしている



そこに小さな男がパタパタと来た
手足と首には枷
茶色の長い髪に金鈷







悟……空………?








彼が何か廊下の先を指さす








その先には……?









「………」








ハッ――――





目が覚めた
窓からの光が顔に直接当たり
目を開ける事がつらい








「悟…空……?」









ボソリと呟いた時
隣の部屋から怒声が響いた








「何すンだ!このゴキブリ頭!!」


「何だと!このクソ猿!」


「シーっ!
まだ惷香さんが寝ているんですから お静かに」


「おい八戒
コーヒー」









その声に夢の内容も忘れ慌てて髪を整えると着替え部屋から出た






.

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