弐拾六


でもそんな漫画みたいな事



あり得ない―――



惷香の言葉が止まる
3人は不思議そうな顔で惷香の顔を見る








「あの…
こんな事言うのもおかしいんですけど」


「何でしょう?」


「今私がいる世界が…私が持っていた本の中身と同じなんです」


「それは…えっと
どういう事ですか?」


「私は元々この本を読んでいて
足を滑らせて崖から落ちた時に気を失ったんです
そして元々読んでいた本の登場人物が
三蔵 八戒 悟浄 悟空」








一気に沈黙が流れた
当然だと思う


でももし今いる世界が本当に本の中なら
辻褄も合う―――








「なるほど
って事はお前は異世界から来たんだな」







沈黙を破り三蔵が惷香に問う









「多分そうなります…」


「実は寺院の書物に過去異世界からの迷い込む事例はいくつか出ている」


「なーんだ
過去にも同じ例があんじゃん」


「その書物には異世界から来る人物はこの世界の人間に何らかの関わりがあり
心残りを探す為
とある」


「心…残り?」


「ああ
どんな事かは知らんがな」


「要は惷香さんは呼ばれたんでしょうね
この僕達のいる世界から」


「呼ば…れた…?」


「もう1つ
異世界から来た人間は人間でも妖怪でもない特質な力を兼ね備えていると聞く」


「力…?」


「それってさァやっぱり料理が上手い事じゃね?」









悟空はテーブルに手を付いて身を乗り出して嬉しそうに言う








「それは力とは言いませんよ悟空」









八戒は笑いながら悟空に言う








.

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