拾六


それから6時間以上経っただろうか



惷香は前日寝ていなかったせいか
悟空と悟浄の口喧嘩に挟まれながらも寝てしまっていた








「――――さん…
―――さん
―惷香さん」









ガバッ!







起きた時には周りには人通りの多い街並み
心配そうに覗き込む八戒に驚きながらも







「あッすみません」







と謝りながら車を降りた

そこには人の往来が多い
大きい町の様だった

でも 惷香は一度も見た事もない町並みだった








「大丈夫ですか?」







心配そうに八戒はキョロキョロする惷香の後ろから声を掛ける








「大丈夫…です」









これ以上心配も迷惑も掛けたくない








「本当にありがとうございました
助かりました」






惷香は三蔵一行に深々と一礼し、何度もお礼を告げて別れた。

そして情報を得る為に町の中を歩いた








「すみません
この町は何と言うのでしょうか?」



「あ?ここは爾詩街だよ」


「うーにー…?」


「ああ」









そんな街は惷香が住んでいた地域にはない

何かがおかしい…

そんな不安を胸に
自分の村の場所を聞く事にした








「すみません
楼村はどこにありますか?」


「楼村?知らないねー」









街の人々は口を揃えて言う
一体どういう事…?







.

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