拾五



しばらく森を進むとそこにはジープが停まっていた








「後ろ狭いですが我慢して下さいね」









片メガネの男は運転席に座りながら申し訳なさそうな顔をした








「い、いえ
オジャマシマス…」








惷香は後ろの2人の真ん中に座り
あまり2人が狭く感じない様にと肩を窄めて小さくなる








「おじょーさん
そんな気を遣わなくていいからさー
もっとこっちに寄って…」








スッパーン!!









また金髪の男のハリセンでいい音が響いた








「黙って乗ってろ!
貴様は女と見れば見境もねぇな!」


「はははは
すみませんねぇ騒がしくて
では発車しますよー」


「は、はい」










森を抜け 車は道と言うよりも舗道もされていない場所を地図を頼りに走り出した






「あー腹減ったぁ」


「黙ァってろ!クソ猿!」


「何だと!このゴキブリ頭!」








惷香を挟んで2人の口喧嘩が始まった








「お2人さん
彼女が困ってますよ
あ、所でお名前は何と言うのですか?
僕は八戒。
隣の不機嫌そうなのが三蔵です」


「俺はねー悟空っての!
そのゴキブリ頭が悟浄ね」


「何だとてめェ!」


「うるせーぞ!
ぶっ殺されてーか!?」


「あ…
私は惷香と申します」


「なるほどー
惷香ちゃんね
やっぱ可愛い子は可愛い名前だな」


「惷香さんはどこの出身なんですか?」


「あ、私は…楼村です」


「楼村?聞いた事ありませんねぇ」


「田舎ですから」


「それどこのあんの?」


「ここがどこか分からないので説明が難しいです
でも、遠くはないとは思うんですが…」


「遠くはない…か」








意味深に三蔵が言う



その時
三蔵の言う理由は気付かなかったけど
町に着いて一変する事となる…








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