拾参


(この人達 一体何処まで冗談なんだろう)








そんな事を考えながら4人の顔を見る








「えっとですね
貴女はここを向こうから来ましたよね?」







片メガネの男が順を追って質問をする








「ええ」


「その時何か見かけませんでしたか?
例えば耳が長い人間みたいな外見で走って行ったとか
飛んでいたとかなんですけど…」


「あ、何か大きな鳥みたいな影は見ましたけど…」


「それだァ!ねぇねぇ
そいつどっち行ったの?」


「あっちです」








惷香はさっき見た影が行った方向を指した








「さんきゅ!」








小さな男はお礼を言うと
あっと言う間に走り去ってしまった








「ありがとうございました
所で貴女はこんな森で迷子…ですか?」


「あ、いえ………
ハイ…迷子です…」







一瞬躊躇ったが
とりあえずこの森から抜け出して帰る道を探さなければ




惷香は近くに町などがないかを尋ねた








「あいにくですが
近くの町となるとここから徒歩ならば2日は掛かるかと思いますよ?」


「え?2日?
そんな…まさか」








惷香の住む町から考えたとしても
1時間位で帰れる


そう思っていた…
一体どうやって此処まで来たのか 連れて来られたのか…








「お嬢さん
なら俺が一緒に野宿でも何でも添い寝で温めてあげ…」








スッパァン!!!








またもや金髪の男のハリセンがいい音を出す








「河童は黙ってろ
おいお前
なら何故此処にいる」


「…分から…ないんです…」


「分からない?
と、言いますと?」







惷香は崖から落ちて気を失ったら
知らない場所にいた話を話した






.

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