八拾九
「逃げてばっかで汚ねぇつったろが!!」
「5人掛かりの君達には言われたくないなぁ」
「悟浄どいて!!」
惷香の指先から金色の無数の糸が神様を捕えた
「…へぇ」
「本気出しやがれってんだよ!!」
惷香の攻撃を合図に皆が一斉に飛び掛かる
「しょーがないなぁ
ちょっとだけだよ?」
神様は金剛杵を懐から取り出すとたった1振り…
宙を描いた時には5人の身体に無数の数珠が撃ち込まれた
それは一瞬の出来事で
壊れた壁の前で金剛杵をポンポンと片手で手の上で遊びながら神様はニコリと笑う
「これで
満足した?」
「がはっ…はっ…」
「ゴフッ…」
「げ…がは…」
「ぐっ…あっう…」
苦しむ中で悟空は足を押さえ苦しむ
「ああ
身体に珠が残っちゃったんだね
可哀想に」
神様はゆっくり悟空に近寄ると傷口に指を入れ珠を探り出した
「あ…あ゛ぁぁっ!
ぐぁぁぁッ!!」
「悟空ッ…!!」
「はい 取れた
―――ねぇ
“無一物”って知ってる?」
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