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「やった……のか? 俺……」


昔々、あるところに自信過剰なお妃様がいました。
お妃様はいつも鏡にたずねていることがありました。


「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのは誰?」

「それはお妃様です」


お妃様はいつもそう答える鏡に安心していました。

そして、ある日お妃様がいつものように鏡にたずねると、鏡は答えました。


「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのは誰?」

「それは白雪姫です」


いつもと違う鏡の答えに怒り狂ったお妃様は猟師を呼びつけ白雪姫を殺すように命じました。


「白雪姫を森に連れてって殺してきなさい! 殺したという証拠に白雪姫の心臓を持ってくるのよ!」

「かしこまりました」


猟師はお妃様の命により、白雪姫を森に連れていくことにしました。


* * *


森を歩いている途中、猟師は白雪姫を殺そうとしましたが、彼女があまりに可愛いために殺すことが出来ません。


「どうかしたのですか?」

「……私はお妃様にあなたを殺すよう言われました。でも私には出来ません。逃げて下さい」


そして猟師は白雪姫に森の奥へ逃げるように言いました。

そして白雪姫はよくわからぬままに走りました。
森の奥へ奥へと。


* * *


猟師は白雪姫の心臓のかわりに猪の心臓を持って帰り、それをお妃様に渡しました。


「よくやったわ。これで、世界で一番美しいのは私……」


お妃様はその心臓を白雪姫のものだと思い、安心してまた鏡にたずねるのでした。


* * *


その頃、白雪姫は小人たちの小屋に来ていました。


「すみません、どなたかいらっしゃいませんか?」


悪いとは思いつつも家に上がりリビングへ行くと、テーブルに7人分の料理が並べてありました。
何も食べていなかった白雪姫はお皿から少しずつ料理をとって食べることにしました。


「ごめんなさい。いただきます」


白雪姫は最後にぶどう酒を飲むと、疲れてしまったのかベッドで眠ってしまいした。
さぁ、もうすぐ小人が帰ってきます。


* * *


それから数日後、お妃様はまたいつものように鏡にたずねていました。


「鏡よ鏡よ鏡さん。世界で一番美しいのは誰?」

「それは森の奥で7人の小人たちと暮らしている白雪姫です」


いつもとは違う鏡の答えを聞いて、白雪姫が生きていることを知ったお妃様は激怒し、老婆に変装して毒リンゴを片手に白雪姫を殺しに森へ行くことにしました。


* * *


小人たちが仕事に出掛けた頃、老婆に変装したお妃様が小屋にやってきました。
トントン。


「はい。どちら様ですか?」


小人たちに、誰かが来ても開けてはいけないと言われていたので、白雪姫はドアを開けずに老婆に尋ねました。


「かわいらしいお嬢さんにこのリンゴをあげよう。お食べ」

「まぁ、ありがとうございます」


老婆を信じてしまった白雪姫はリンゴを1つもらいました。
そしてすぐに老婆が帰っていくのを見届けると、リンゴを手にしました。


「本当においしそう……」


白雪姫は毒リンゴをかじってしまいました。


* * *


小人たちが帰ってきた時、白雪姫は倒れていました。


「白雪姫!」

「どうしてこんなことに……」


小人たちは嘆き、悲しみにくれました。
そして小人たちは、美しい白雪姫がいつでも見られるようにと見晴らしのいいところに白雪姫を入れた棺を置くことにしたのです。

その数日後、白雪姫を偶然通りかかった隣国の王子が見つけました。
王子はとてもかわいらしい白雪姫に見とれてしまいました。


『おぉ、なんと美しい』


王子は白雪姫のあまりの美しさに、こらえきれず口付けました。


「(本番で、ってな……)」

『(ちょっボリス!?)』


すると、白雪姫の口からリンゴの欠片が落ちて、白雪姫は目を覚ましました。


「……王子、様?」

『あぁ、やはり美しい。どうか私と結婚して下さい』


白雪姫は頷き、了承しました。

そして2人は末長く幸せに暮らしたのでした。





((やった……のか? 俺……))
(キスシーンよかったよー!)
(キャー王子様ー!)
(すげぇぞ白雪姫ー!)

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