□ジャーファル



「ジャーファルさん、お茶が入りましたよー。」
「…おや、もうそんな時間でしたか。少し休憩にします。」


白羊搭にあるジャーファルさんの仕事部屋から休憩室の一室に移動する。


「何かお茶菓子的なものでも…」
「あ、構いませんよ。ここにいてください。」
「…は、はい…あの…ジャーファルさん、手…」
「…せっかくの休憩ですから、貴方が見えなくては困ります。」
「は、はい…」


ジャーファルさんはこんなことをさらっと言うものだから全く心臓に悪いです。捕まれたままの手から心臓の音が伝わるんじゃないかと思って恥ずかしくてジャーファルさんと目が合わせられない。


「貴方の淹れてくれるお茶、いつも楽しみにしてるんですよ。」
「あ、ありがとうございますっ」
「今日も貴方との休憩がある。貴方のお茶を飲んでまた頑張ろうと思えて。」
「ジャー、ファルさん…」
「…毎日こうして二人きりで休憩室に来てくれるのは私を男として見ていただけてないからでしょうか?」
「え、…と…」


「結構アピールしてるんですが、ね」と私の手の甲に唇を寄せて真剣な顔で私を見つめたジャーファルさん。
驚いて何も言えない私をよそにジャーファルさんはにっこりして「そろそろ仕事に戻りますね」と休憩室を出ていった。

ジャーファルさんに告白するのはまた別のお話。

2013/01/20 22:02
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