□紅炎



「お前が風邪で寝込むとは…珍しいこともあるものだな。」
「……。…体調管理すらまともに出来ず申し訳ありません…。」



様を何個付けても足りないくらいの征西軍大総督を務める第一皇子の練紅炎様。その紅炎様直属の侍女である私は情けないことに風邪を引いてしまった。
そんな一端の侍女である私の自室まで足を運んで下さった紅炎様。恐らくご本人の気まぐれで来てくださったのでしょうが万が一移ったらとんでもないというのに。



「私の風邪が治るまで他の侍女を遣わせるよう頼んでおきましたのでご心配は…」
「…ああ、それなら断った。」
「はい!?」
「俺の侍女はお前だけだろう。復帰してから膨大な量の仕事をしたくなければ早くその風邪を治すのだな。」



ふっと口角を上げ部屋を出ていく紅炎様を目だけで見送り早くこの風邪を治すことだけを考え、早鐘を打つ胸を無視して目を閉じた。


2013/01/14 15:41
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