□シンドバッド
「シンドバッド様…こちらにお召し物を、置いておきます…」
「ん…?…お前…ちょっと来るんだ」
いきなり腕を捕まれ引き寄せられたかと思ったら段々と顔が近付いてくる。
「ややややや!な、なっ、何してるんですか!」
「あっ、おい!暴れるな!顔が赤いし目は虚ろだしで熱があるんじゃないかと思ったんだ!」
「だ、だからってなんでおでこで計ろうとするんですか!そんなことされたら……、…」
貴方のことを王としてではなく一人の男として慕っている私の身が持ちませぬ。
一国の王がそんな軽々しく勘違いされるような行動を取られませぬよう、と注意しようとしたがそこで私の意識は途切れた。
遠くで私の名を呼ぶ王の声が聞こえた気がしたが熱に浮かされた私はその王の声を子守唄に少し寝かせてもらおうと思った。