赤い騎士 | ナノ



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明朝、

今日が生徒兼護衛じゃなく

ただの護衛としての、最後の登校になるわけだが



「……綱吉、」

「なに?」

「その手は、なんだ」

「なにって…」



―――――ダメ、の手だけど?



マスターに新しく与えて貰った部屋に寝ていたはずの綱吉が

着替えも済ませた私の腕をかっちり掴んで

頑なに私の登校を拒むのだ。

何だよ、最後なんだから。

特別思い入れがあるわけじゃないけど、昨日は有人に着いてやれなかったんだから

今日くらい、真面目に仕事をしようと思ってだな…



「書類整理をするんだ」

「…手伝えと?」

「ディル=サントゥッチさん絡みでね、たーっくさんあるんだけどなぁ?」

「……了解致しました、ボス」



半分脅しじゃないか、

なんて言ったら確実に明日の朝日を拝めなくなるので(ジャッポーネの言葉だって、隼人に聞いた)

やめておいた。















交渉の末、有人の昼食を作って、見送りだけ済ませること(だけはなんとか許可を貰った)私は

いつも以上に気合いを入れて昼食を作り、有人に持たせた。





 




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