赤い騎士 | ナノ



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有人に、軽いノリで「来週から、稲妻高校に通うことになったからな」と言うべきか

当日まで隠しておくべきか

私は悩んだ挙げ句、



―――――隠しておくことにした。



黙っていたほうが楽しそうだ。

なんて考えた私は、

この間の出来事で頭をやられたわけじゃないぞ?

私は元々、性格が悪いんだ。

綱吉に言ったら、予想通り「悪趣味」だと言われた。

はは、それはどうも。

私にとっては最高の誉め言葉だ。



「あ、武さんに電話、しておかないと」



―――心配かけたし。


この間電話したときは

絶対寝てたの起こしちゃったし。



いつも、携帯電話はベストにしまってある。

あ、そうか。

さっきまで寝てたから、着てないんだ。


私が、クローゼットにかけてあるベストの中から携帯電話を取り出してコールをして

もう一眠りしようと、ベッドに腰掛けた三時間後

小さな支配人が、邸のドアを叩いた。



―――おかえり、有人。


って、言ってやらなきゃな。





 




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