赤い騎士 | ナノ



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トレイズは、昔ソンニョファミリーで、人体実験をやられていたらしかった。

だから、自分のファミリーが滅ぼされても、マフィアが憎かった。

恐かった。

だから、いつ何時も恐怖に怯えていた。

誰かに、助けてもらいたかったんだと思う。

それを瞬時に見破った綱吉は、やっぱりすごい。


だからといって



「なんでまだ居るんだ?」



トレイズとの戦闘から一夜明けた今日。

体調が抜群に悪かった私の代わりに、ボンゴレの誰かが有人に着いていってくれたらしいから

私は、鬼道邸の自身の部屋で、情けなく休養をとっていた。



「ディルに連絡することがあってさ」
「私に?
昨日のことでの苦情は受け付けないぞ」
「違う、別の話」



私が寝ているベッドの端に

ドガッと偉そうに座った綱吉は、自慢気に話始めた。



「俺とディルは、来週から鬼道有人と同じ高校に通うことになったから」
「はぁ?!」
「護衛のしやすさを配慮した」
「別に今までどおり、付き添いの形でいいじゃないか」
「昨日、トレイズは復讐者に引き取ってもらったけど
依頼者は捕まっていない」



マフィアに頼んでまで鬼道有人を狙うヤツがいるんだ。

今までみたいにやるよりは、

生徒になれば、自由に校舎内の出入りが出来て、より近くに居られる。

俺たちもこちらの方が都合がいいだろ?



「だからって、なんで綱吉まで
仕事が溜まって師匠に怒られても、私は知らないからな」
「大丈夫、これ提案したのリボーンだから
鬼道さん家に下宿って形だけど、ちゃんと許可はとってあるから」



学校というものを知らないディルに、教えてやりたいんだ。

そんな、綱吉と師匠の優しさは、その時私には伝わらなかった。





 




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