赤い騎士 | ナノ



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私はダークサイズを振り回しているトレイズを見て

トレイズから距離を置くように逃げる。

そろそろ、トレイズを目覚めさせなければ、やばいことになりそうだ。


丁度、タイミングも合いそうだ。

さあ、終わりにしようか。



「リュカ、ミストフレアだ」

「何をするつもりなのかは分かんないけど」



―――――勝つのはボクだよ。



「それは、どうかな」



同じ手には引っ掛からない。

なんて言ってたから、わざとやってみた。



―――――だって、これは

同じ技じゃないんだから。



リュカのミストフレアは、単発的な技じゃない。

炎エネルギーの衝撃波。

それは、一回当たっても、衝撃波の波は辺りに広がっていく。

だから、いずれ返ってくる。



その返ってきた衝撃波に、新しくまた衝撃波を作ると

衝撃波同士の衝突で、爆発に近い反応が起こる。

その反応が敵の近くで発生するように、計算をして、私はリュカに指示をした。

それと、


―――――ズガン、ズガン!




「今だ、Vento forte(ベント フォルテ)!」
「な、?!」




私の銃の圧で出来た風で、衝撃波を強く動かせば

威力もスピードも早くなる。

完成だ。



「甘いね、バンビーノ!
ただ動揺してるだけだと思ったんだろ?」

「あ、な、な………」



ずっと気になっていた。

大振りのダークサイズを振るうトレイズには、どうしても背中が死角になる。

だから、それを上手く利用することで、この反応がよく活きるんじゃないかと考
えた。

見事に追い込まれるだろうと思ったんだ。


ただ闇雲にもがいてたんじゃない。

そのタイミングを見計らってたんだよ。



「さあ、ショータイムは終わりさ」



私の勝ち、だ。







Vento forte(ベント フォルテ)→伊語で「強風」
ディルが最後に放った弾丸を使った技の名前です。







――――――――――第一章、fin...  next stage



 




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