赤い騎士 | ナノ



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私が放った三発の弾丸を、器用に避けたトレイズに向かって

匣から勢いよく飛び出したリュカは、前脚で器用に蹴りを入れた。



「いたいなあ」

「リュカ、ミストフレア!」



着地したリュカは、一発遠吠えのように吠えた。

耳をつんざくような、衝撃波で出来ている、大きな音だ。

大抵の敵は、この音にビビって立ちすくむのだけど。

トレイズは、ダークサイズを円を描くように一振りし

炎で盾を作ったらしく、平気のようだった。



「ボク、この衝撃波きらいなんだよねえ」

「前はこれで一発だったからな」

「同じことはつーよーしないよん」



まだ余裕があるらしいトレイズは、あの怪しい笑い方で笑い

ダークサイズを振り回した。



「ダークボム、versionソンニョ!」

「versionソンニョ?」



ダークサイズは元々、ソンニョファミリーが使っていた匣じゃない。

だから、versionソンニョってのは、トレイズが―――――もしくはソンニョファミリーが改良した技。

もしそうならば……



「危ない、避けろリュカ!」

「あれ、もうばれたの?」



ソンニョファミリーが潰された理由は―――――人体実験を行い、人をヒトでないものにしたから。

どうやらあのボムを受けると、マインドコントロールを許すことになるらしい。










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