赤い騎士 | ナノ



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「簡単なトリックだよねえ
でも他の人は、なかなか解けなかったんだよね★
さっすがディルさーんって言いたいところだけど」



トレイズはまた、にひひっと変な笑い方で笑う。



「ディルさんにしては、時間かかったんじゃないの?」

「まあな、
当たり前過ぎて、気付かなかったんだ」

「…なんか、ちょっと嫌味に聞こえますけどお?」



元々、ヤツは少量の幻術の幕しか作っていなかった。

私は何枚も壊していくうちに、限りなく続いているものだと錯覚してしまったのである。

所々、有幻覚を混ぜてあったらしいから、余計に気が付かなかった。



やるなあ、お前。



「ボクのこと
ちょっとは見なおした?」

「さあ、どうかな」

「うん?
…あ、うあああ!」



―――――刹那、トレイズの前に

赤い大蛇が現れ、トレイズの首を締めあげるように、キツく巻き付いていく。



「あはは、どうせ幻覚でしょお?
痛くも痒くもありませんよおだ!
同じ手には引っ掛からないよ!」

「それは、どうかな」


自分が作った幻覚の中で、相手に幻覚をかけられるって意味、分かってるか?

ばあか。



「う、あああ!!!」



答えは

君の負け、ってことだよ。











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