赤い騎士 | ナノ



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私がベストから取り出したのは、ゴーグルタイプのディスプレイ。

綱吉でいうコンタクトのようなもので、オペレーション機能こそは無いものの、センサーで探知したり出来る。



「おやおや?そんなもの使っちゃうのかな?」

「悪いか、念には念をだ」

「念入りだねえ  それとも、ただの臆病?
でーも、ボクを見つけることは無理かな」



にひひっと再び聞こえた笑い声は、やけに近く聞こえて。

反射で後ろを振り返り構えた右手に、かたい金属が当たったような鈍い音がした。



「だからいったじゃーん
ま、その銃が無かったら、致命的だったねえ」

「ぎりぎりセーフ、ってとこだな」

「次はあてるよーん」



愛銃で受けたのは、ヤツの武器である薙刀。

大振りな武器であるからか、音はよく聞こえたからいいものの

半端無い攻撃力で、反射で取出し構えた愛銃・M1911A1のボディに傷がついてしまった。

つか薙刀とか、なんて古風な。



「先手必勝?」

「やられたらやり返す、それが私のポリシーだ」

「はうあッ?」



どや顔で、薙刀を握り締め立っていたトレイズに

私は足払い、側転からの蹴り、右フックとコンボを決めれば、あっという間に倒れてしまった。



「あちゃあー」

「拍子抜けだな」

「もーう、ボクが体術苦手なの知ってるくせにぃ」



怒ったぞ、と言い残したトレイズは

普段は開いていないはずの、アーチのハッチを開けて

夜空へ飛び出していった。



まあ私からしたら、障害物の少ない場所へ移動してくれるのなら、嬉しいのだけど。










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