赤い騎士 | ナノ



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―――――お腹が空いたねえ



マスターに有人を預け、屋敷の警戒レベルをMAXにまで引き上げる。

ボンゴレ本部に連絡し、応援を頼んだ。

こうなったら、綱吉に黙っているわけにはいかない。

パソコンがジャックされ、ボンゴレ内部の情報が漏れる危険性。

ソンニョファミリーが再び動きだしている危険性。

そして、鬼道財閥崩壊の危険性。

もう、私一人ではなんとか出来るような問題じゃないからだ。


トレイズの雇い主は有人狙いだったが、ボンゴレがバックに付いていることに気がつくと

出来るだけ自分の手を汚さずに、仕留めることを考えた。

その結果、都合良く私に恨みをもつトレイズを見つけた。

ヤツは前私と闘った時、幻術でも体術でも完敗し、よほど私を恨んでいたと綱吉の方から聞いている。


雇い主は最初は有人を仕留めるついでに、私をやろうとしていたみたいだ。

でも私は、ボンゴレ本部特別単独作業員だ。

そう簡単に、くたばるわけが―――――いや、くたばってたまるか。

だからこそ、わざわざ闘いの日を指定してきてまで、私を倒そうとしてきたんだろう。


ベルトにナイフを多めに、ベストにM1911A1とデザートイーグルを

ベルトにリュカと追跡用の匣を。


準備万端で、屋敷から足を踏み出した。

深くボルサリーノを被り直し、ステップを踏んでいるかのように軽く、屋根から屋根へ飛び、移動する。

日が沈み、夜へと空が変わり始める頃の時間帯。

人影がちらちらと、住宅街の中で見える。

あ、そういえば夕飯まだだなあ。


ヤツが残したメッセージから、この辺りで食物屋といえば、商店街しかない。

円堂青年達ご用達のラーメン屋・雷雷軒の前でスピードを落とし、暗闇で目を懲らす。

くそ、見にくいな。





刹那、―――――


シュッ



「試合開始、――――― It's a show time!ってか」




頬の直ぐ傍を、まるで合図とでもいうように一本のアローナイフが掠めた。










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