赤い騎士 | ナノ



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ソンニョファミリーは、その名の通り―――――夢を名乗るのに相応しいファミリーだった。

幻術使いのほとんどが、ソンニョファミリー出身者というほど。

しかし内部の教育方針は、まったくと言っていいほど謎に包まれている。

唯一分かっているのは



かつてのエストラーネオファミリーのように―――――人体実験を行っていたという事実が判明し、ボンゴレの手によって四年前に滅ぼされたという有名な話だけだ。



「ねえディルさん、今あいてる?」

「…何の話だ」

「分かってるくせにー
あの人は明日って言ってたみたいだけどさあ」





―――――ボク、待ちきれないんだよね。





「…雇い主は誰だ」

「それを話したら、ボクが不利になるじゃん
内緒だよ★」

「お前………」

「ん?」



けらけらと愉快に笑うトレイズは、わざと周りを映さないようにしているのか。

ディスプレイにはヤツの顔しか映っていない。

ヤツはソンニョファミリーが消滅してから、ヴィンディチェが破壊したはずの

かつてのソンニョファミリーの実験器具を使って

悪事を働いていた―――――ちょうど一年前、私がボンゴレに入ってすぐに仕留めた相手だ。

あの時は綱吉の命令で、息の根は止めなかった。

かつての同盟ファミリーだからと、施設での再生を計らってくれたからだ。



「お前…、まだ懲りてないのか」

「あの時はボク、子供だったからさあ
へなちょこだったけど」





―――――今は、絶対負けないから。





そう言い残し、トレイズとの回線は途切れた。

その代わりに、真っ黒のディスプレイに白い文字が映し出された。



どうやら決戦は、今夜のようだ。










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