赤い騎士 | ナノ



24







「…、」




―――――シュッ…―




轟、と音をたてて燃える服。

相手は、おや、とでも言いたそうな顔で、こちらを見た。

屋上から、皆には気付かれないように高速で投げた手榴弾。

火力は大きいが音は小さい。

特殊な調合をした火薬を使用したこの手榴弾。

茂みに潜む藍色の髪。

本能的に、感じた。

コイツは、強い。

彼の有名なボンゴレに入って直ぐに幹部昇進。

それ以前にも、S級任務を一人でこなしていたし。

一匹狼からボンゴレの飼犬・番犬となった私。




―…ボンゴレが絡んでいるのか―

―だったら、なんだ―




読唇術を使い話掛けてくる敵は

ふ、と笑みを零す。




―ボンゴレが絡むということは、相当な獲物だって証拠だ―




にやり、と不審な笑みを残して、去っていく。



「…、アイツ」



私を知っていた。

一匹狼の頃も、ボンゴレに入ってからも

敵に姿を見られる前に、仕事は終わらせてきた。

だから私がボンゴレに入ったことすら、一部にしか漏れていないはずなのに。



「…有人」

「、なんだ」




―用心しろ―




「は?」



嫌な、予感がするんだ。










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