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「…くしゅんっ!」


寒い


さむい


サムイ



サビシイ……



ひとりぼっち。










広く鮮やかで

賑やかで綺麗な国


イタリア。


その街のあちこち

駅のホーム


そこに

小さく、影のように生きる

ストチル――ストリートチルドレン達



人々は、哀れむような目で

または何も見ていなかったように


彼らの傍をただ

通り過ぎていく。



彼らは、明日を生きるために

孤独という痛みを背負いながら


生きようとする。



哀れむ人には、同情でなく、金や富を求め


何も見ていなかったように

通り過ぎていく人には、ただ苛立ちを覚えるだけ。



靴磨き、雑用。

ちゃんとした金を手に入れる者。


スリ、詐欺。

悪を働き金を手に入れる者。



人それぞれ。



でも


誰もが望んだのは


たくさんの“愛”



例え捨てられたとしても


誰かに“愛”を求めている。



この孤独をうめてくれる


この体を抱き締めてくれる



本物の愛を。










昨日も

今日も


人が目の前で

天へ飛びたつ


俺の手によって。



マフィア


それは、決してヒーローになんかはなれない


ただ

一生悪役な存在。



そんなマフィアのボスになると、決心してから


日に日に手が赤く染まっていく。



もう真っ赤っか。



拭っても

洗っても取れない。


“普通”にも

戻れない。



これ以上、人を苦しませたくないのに。


俺のせいで苦しむ人がいる。




絶望なのか


諦めなのか



俺の頬に、一筋ついた、跡。



涙という、悲しみの形。



“流れるのは最初だけだ。

時間が経てば出なくなる。”


そう聞かされていた涙。


それなのに出たことが、嬉しかった。










そんな俺に


「………泣かないで、お兄ちゃん。」


心配そうに顔を覗かしてくる影。



「…だ、大丈夫だよ。」


「…本当に?」



できるだけ、“普通”を害さないように

裏道を選んで歩いてたつもりなのに。


なんで子供がいる?



月明かりに照らされた姿をよく見ると



ズタズタでボロボロの服を着て


サイズの合わない帽子を被っていた



幼い少女だった。



ポケットから垂れているタオル

ワックスの箱。


きっと少女の商売道具なのだろう。



ストチルである、少女の。



姿を見、その声の明るさに驚いた。


孤独と飢え

戦い続けるストチル。



俺が見たヤツラは、皆


目に

声に


希望の光を宿していなかったから。



「…君」

「え?どうしたの、お兄ちゃん?」


明るい声。


「…お母さん達は?」










「お母さん、いないよ。

お父さんも。」


この帽子だけ。

あたしにあるのは。


形見だから。


「…ストチル、か。」


コクリと頷き、悲しそうに笑みを浮かべる少女。



「…死んじゃえば、また会えるんだけどね。


でもあたしは生きるの。」



“生きたい”という。


強い意志。



「あたし、ずっと“普通”が羨ましかった。


お母さんがいて、お父さんがいて、

いっつも笑って

ときどき泣いて。


でも、楽しくて。」


夜空を見上げ、何かを思い出すかのように


「いつも手を伸ばせば届きそうなのに

届かない。


でもね?

死んじゃったら、一生手に入らないの。

届かないの。」




「あたしは生きる。


例えどんなに辛くても


悲しくても


生きるの


明日を。」



辛かっただろうに

明日を生きるために、一人で戦ってたんだ。


例え“普通”に戻れなくても


生きなきゃ意味がない。



こんな小さな体で


必死に生きている命があるんだから。



「お兄ちゃん、辛かったんでしょう?


今まで必死に、

涙堪えてたんでしょう?


大丈夫だよ。

泣いていいんだよ?


後悔した分だけ、生きてやり直せばいい


死んじゃダメだよ?」



まさか、子供に励まされるとはな。


「……ありがとう、

生きるよ、俺も。」



どこかで生きるのを諦めていた俺


“普通”を、同じように求めていた少女は、


小さな体で

大きな心を持っていた。






例え道を外れたひとりぼっち。でも
生きてみせるよ、ストチルの嬢ちゃん。

(…お兄ちゃん?)
(ありがとう、なまえちゃん、
ちょっとお礼がしたいんだけど。)
(え?(な、なんであたしの名前?!))



あたしがこの人と生きるようになったきっかけ。

それは
今でも鮮明に覚えてる。


悲しそうに 痛みを背負っていた彼を
ただ助けたかったから。










あとがきってか謝罪。


一人は辛いなぁー

ひとりぼっちは可哀相だなー


っと思ってできた話。


変な終わり方で
駄目文でごめんなさいm(__;)m


相互記念
何だかんだで遅かったです;;

あれ?
前も書いた?

ふと思いました。


書いてたらごめんなさい。
書いてなかったら尚更ごめんなさい。



杏でした(;-_-+

H21/02/17.



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