「なぁなまえ、なんだっていきなりこんなとこに」
『うわぁー!ねぇ武、すごいよ!真っ青な空!』
山本の言葉を遮るように、なまえが感嘆の声を上げる。
その顔は笑っているけれど、だけどこっちが笑ってしまうほどに笑えていなくて。
小さくため息をついて、山本もなまえの見上げる方を見やった。
そこには確かに、綺麗すぎるほど澄んだ青空。
「…ん、そーだな」
『やっぱ屋上って気分いいね!先生に見つかったら怒られちゃうかな』
「や、先生よりヒバリとか風紀委員の方が怖くね?」
『あははは、そうかも!』
何があったのかと聞いても、きっとなまえは何も云わないのだろう。
判っているから山本も何も聞かない。
けれど、もし何かを抱えているなら伝えてほしくて。
「…なまえ、なんかあったか?」
『んー?…うーん、ちょっとねー』
「オレには云えない?」
『ううん。ちょっとお父さんとケンカしただけだからさ』
「…え、あ、そっか」
意外にもサラリと空元気の理由を話してくれたので、山本は驚いてしまった。
見開いた瞳に、青空が映る。眩しい。
『でも、武といたらなんか元気出ちゃったな』
「…マジで?」
『マジで!』
そう云ってにこ、と笑うなまえ。
その微笑につられて、山本もにこりと笑うと、なまえの額にキスをした。
くすぐったそうになまえが笑う。
今度の笑顔は、きっとほんもの。
君の笑顔が好き(だから笑っててくれよ)(そしたらオレも笑えるから)END
8/28 時松杏さまへ
相互ありがとうございました!
※時松杏さまのみお持ち帰り可能
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ありがとうございます!!
山本、久しぶりに…
最近、復活ブーム戻ってきました(遅
相互、ありがとうございますっ!!
09/08/28 杏
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