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「あつー、夏だねえ源田」
「そうだな…とりあえずボタンひとつ閉めてくれるか?」
「え、なんで」
「なんでも…」
午前で練習が終わりだった今日、寄り道して帰るかという話になった俺たちは街中を歩いていた。
たしかに暑いのは分かるが、ボタンをふたつ外して人通りの多い中にいるのはなんだか、解せない。(俺も男だな…)キャミソールとは言えちらちらと見える水色に見ないふりをしながら言えば、仕方ない、とひとつボタンを閉めた。
一安心したところでこのむし暑さはどうにもならないのだが。
「よし、アイス食べよう!」
「なんの?」
「コンビニのアイスバーに決まってる」
「…おごってやろうか?」
「え?いやいいよいいよ、気持ちだけありがたく受け取っておきます」
「…そうか」
(サーティ○ンとかだったら素直におごられるかな…)
そんなことを思いながらも、目に入ったコンビニへまっしぐらに歩くなまえに黙って着いていった。
「あれ、買わないの?」
「俺はいいや」
「そう」
さっと会計を済ませたなまえと俺はそのまま店内のテーブル席に座った。
チョコとナッツがかかったアイスバーにかじりついたなまえをぼんやりと見る。…あ、うまそう。
そう思ったのが顔に出てしまったのか。
気がついたら目の前にアイスの断面があった。
「え?なまえ、なん…」
「食べたいなら正直に言えよー」
「!いや、俺はただ…」
「ほら、溶けちゃうよ」
「あ、…悪い…」
結局負けた。
「いただきます…」
「どうぞー」
食べやすいところはすでになまえが口を付けた部分を含んでいたが迷ってはいられなかった。ぐずぐずして溶けてしまったらさらに申し訳ない。
少しだけ頂戴して体を引いた。
「ご、ごひそうさま…」
「いいえー」
先ほどから同じ調子で笑いながらなまえは俺がかじったところらへんを食べる。若干だが顔が熱くなったのを感じたのはクーラーのおかげか。
「あ、源田と間接ディープキス」
「!!」
「え?あ、うわあっ」
声にならない声をあげて、未だ日の照った外へとふたりで飛び出した。
(どうしたの、源田)
(ど、どうしたもこうしたもっ)
(まあ…これ食べて落ち着きなよ)
(だ、だから…!)
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…調子に、乗りました…(…
源田がかわいそうすぎた気がしますが恐れ多くも杏さまに捧げます…い、いつでも返品どうぞ!←
リクエストありがとうございました!
返品なんて恐れ多い!!
源田がかわいいですっ
ありがとうございますっ
杏
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