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03 -舞うは聖女-





「や、やばいー、ッ…遅刻だああぁああ!
なんで母さん、起こしてくれなかったんだよ!」



珍しくリボーンからの強烈なモーニングコールを受けなかった綱吉は、ベタな少女漫画のように食パンをくわえながら走っていた。
綱吉の背には、つっくん忘れ物ーっと奈々の声がかけられたのだが、パニックで自我を忘れかけている綱吉の耳には入るわけが無い。
それに、運動音痴の綱吉が走りながらパンを食べることは、息があがってしまった時点で無理難題と課した。
嗚呼、今日は最悪だ。





ギリギリセーフで遅刻を免れた綱吉は、朝から疲労困憊。
そしていつものように、数学では間違え、体育のサッカーでは顔面でボールをセーブするなど、新しい快挙をあげていた。



「10代目、大丈夫ですか?」
「おーい、ツナー?」
「あはははは、…大丈夫だよ」



昼休み、奈々お手製の弁当を忘れたことに気がついた綱吉は、落ち込みながらも心配してくれている友達に精一杯笑いかける。
だが、綱吉の頑張りは虚しく、顔は笑っていなかったのだけど。


散々だった綱吉は、獄寺と山本に気を遣われ、屋上で寛いでいた。
二人が分けてくれたお昼ご飯を少しずつ摘みながら、二人が始めるコントのような会話に、声を弾ませていたときだった。


ふと、綱吉の視界に昨日の女の子が入った。
あの、人形的に美しい、外国人の女の子だった。




もう少し、ツナ視点続きます





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