TRIO!! | ナノ

「ふわぁー…ねむ、」


図書室は資料がたくさんあるし、静かだし設備もいいし、なにより一番暖かい。
冬期講習の復習と模試の勉強のために、ここで勉強をすることにした。

家でしてもいい勉強を敢えて図書室でするのには、もちろん理由がある。


「ひな、ここの文章ってどう訳すの?」
「あーそこは文頭のRunningが動名詞だから・・・」


図書室で騒ぐのは御法度な上、勉強嫌いの翔は不在。
はるちゃんは私と同じく模試を受けるため、黒さを封印してる。
ということは・・・
邪魔者がいない!!

まじでパラダイスぴーや!

翔がいないのが一番清々しい!


「なあなあ、しずくちゃんって面白いな!」


…え?


「翔、どこからその絵本がわいてきたんだよ。」
「図鑑あるとこにあった! てか心理テストあるじゃん」


…Why?


「えーっと、運命の人は・・・」


呆然と、いるはずのない彼の姿を見ていたら、ぱっと満面の笑みでこちらを見てきた。


「ぴなこ! 俺の運命の人だって! 結婚しよーぜ!」


そう言って、両手を広げこちらに向かってくる。


「…出てけー!」





図書室では静かにしましょう


反射的に出た拳は、両手を広げてる翔の無防備なみぞおちにヒットした。



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