TRIO!! | ナノ

「わー桜がきれいー!」


近所の土手へ花見をしに来た。
私と翔とはるちゃん一家を含む近所の人で。
親は皆お酒を飲んでがやがやしているし、翔やはるちゃんも妹や近所に住むちっちゃい子たちと遊んでいて、私はフリー。
親といる理由も子供と遊ぶ必要もなかったから、桜並木の中を散策していた。


「あ、りんご飴だ」


土手を上がったらある、比較的広い道では、通行止めになっているおかげで屋台がまばらに並んでいた。
滅多に見かけないりんご飴に興奮した私は即買った。
我ながら子供だなー、


「んー美味し・・・わっ」


久方ぶりのりんご飴を堪能して来た道を戻っていると、強い風が吹いて桜が雪のように舞い散った。

きれーだな、なんてぼーっと歩いていたら、どんと誰かとぶつかった。
ヤバいって思ったけど、遅かった。


「あ、」


りんご飴が地面にボテリと落ちた。


「りんご飴・・・」
「わわっごめんなさい!」


私が呟くと、ぶつかってきた人が謝ってきた。当たり前か。


「べ、弁償します・・・?」


なんで疑問系になんだよ。
心中で悪態を付きながら、疑問系人間を見た。


「わ、美青年」
「はあ…え…」


ぽろりと出てきた言葉に対して、目をまん丸にして驚くのは、疑問系人間改め疑問系美少年。
なんて呑気なことを考えてるが、実際自分のバカみたいな言動に羞恥心が半端ない。てか顔があつい。


「え、あ、…なんかごめんなさいぃ!」


疑問系美少年が何か言ってたけど、恥ずかしさのあまり謝りながら逃げた。

なにやってんだわたし!



りんご飴による何かが続く予感




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