6:待罪-後編-






飛んだ意識が戻ってきた時には、粉っぽい空気の中に居た。





頭に掛かった靄が晴れなくて。

すぐに、ああ、まずいなと思った。



身体が酷く重い。
再生出来ないどころか満足に動かない。


枝垂れた髪の間から瓦礫と地面が見えた。
ビルが崩落したのか。





…未登録は?
巻き込んでたらどうしよう。



其処で漸く左腕の違和感に気づいた。
瞳をスライドさせるとラストの姿が視界に映って、思わず笑いそうになる。

もしかして、俺を運ぶ気なんだろうか。

色々言いたい事はあったけど今はそれも億劫だ。
ラストの目線の先を辿って、うっすら首を擡げると、遠く砂塵の波間に人影が見えた。


未登録だった。


良かった。
怪我はないようだ。





安否を確認するや否や、身体から急激に力が抜けるのを感じた。
目蓋が重く閉じていく。







そのまま、記憶は再び途切れた。

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