小説 | ナノ

▽ フェティシズム



 目を瞬かせたのは、指に白い蝶でも止まっているかと思ったからだ。次の瞬間にはもう蝶は消えていて、ただ、骨ばった細い指がページを繰るばかりであった。
「どうかしましたか?」
 気配に気づいたのか、愁一が本から面を上げて不思議そうにこちらを見た。いえ、と佳代は首を振り、慌てて彼の机に茶碗を並べながら、蝶が、と呟く。
「蝶が愁一様の手に止まっているのが見えたから、驚いちゃって」
「蝶? この季節に?」
 愁一の顔に訝しげな色が浮かんだ。今は骨までしんしんと冷え込むような初冬である。野生の蝶がいるとは考えにくい。
 佳代もそれがわかっているのだろう、少し照れた笑みを浮かべて見せる。
「きっと見間違いだったのでしょう。……朝食をお持ちしました。冷めないうちにお召し上がりください」
「では、ありがたく。いただきます」
 汁物の椀に手をかけた。蓋を持ち上げれば、味噌の香ばしさと共にふわりと潮の香りがただよう。
「今朝はしじみ汁ですか」
「はい。しじみの干したものが昨夜届いたので、お味噌汁にしてみました。お口に合えばいいんですけれど」
「そういえば、しじみは今が旬でしたね」
 言って、愁一はゆっくりと椀に唇を触れさせる。少し伏せられた眼が幸せそうにとろけるのを見て、佳代はほっと息をついた。
 今日の朝食は、椀物から小鉢まですべて佳代が用意したものだった。女中としてはまだ経験が浅い佳代は、なかなか厨房を任せてもらう機会がない。今日は久しぶりに食事当番を任されたのだが、どうやら及第点はもらえそうだ。つい気が大きくなって、ずい、と身を乗り出してしまう。
「しじみ汁もそうですが、こちらのふろふき大根も、今朝農家の方からいただいた旬ものです。愁一様は少し辛いものが好きだとお聞きしたので、唐辛子と一緒に和えてみました」
「美味しい。とても私好みの味になっています。うれしいです」
「ほんとですか!? よかった!」
 手を打ち鳴らせて喜ぶ佳代に微笑みかけて、後は黙々と箸を動かし続けた。彼は元々静寂を好む質だ、佳代も口をつぐんで彼の横に控える。お屋敷の離れに位置する愁一の書斎は、人通りもなく、いつもこうした柔らかい沈黙で満たされていた。
 あらかた皿も空になり、佳代が朝食を片付けていると、思い出したように愁一がぽつりと呟いた。
「さっきのことですが、もしかしたら佳代さんは凍蝶を見たのかもしれないですね」
「凍蝶?」
「初冬まで生き残ってしまう蝶もまれにいるんです。大半はそのまま死んでしまうけれど」
 凍て蝶の己が魂追うて飛ぶ、と、虚子の詠をそらんじる。
「なるほど! でも、目の前にいたのに愁一様がお気付きにならなかったなら、やっぱり気のせいだったんです。それに……」
 言いさして、佳代はふと口をつぐんだ。自分は何を言いかけたんだったか、いや、そもそも私が見たのは本当に蝶だったのだろうか?
 いったい自分は、何を蝶と見間違えた?
 黙り込んだ佳代に、愁一は心配そうな表情をする。
「佳代さん?」
「あ、えっと。冬の寒さに凍える蝶なんていないほうがいいですから。……それじゃあ、私はこれで失礼します」
 手早く食器をまとめて、一礼してから退出する。閉まりかけた扉の向こうで、ひらひらと愁一が手を振った。その動きに、どこか蝶の面影が見えて、佳代はああ、と得心がいった。自分が本当は何を見たのか、今ならはっきりと思い出せる。
 けれど、それもまた泡沫の夢。
 冬の蝶が幻だったというのなら。
 まるで白蝶のごとく白く細い指が、愁一の指を絡めとろうとして見えたのも、幻だったに違いない。



 白石家といえば、村では知らぬ者のいない名家である。この辺りの山一帯の土地を預かる大地主で、祭事の際には祭主を務めることも多く、村の歴史に名を連ねてきた。
 そんな白石家に、士族の出でもない佳代が女中として入ることになったのは、現在女中頭を務める昭子の紹介があったからだ。彼女は佳代が通っていた女学校の卒業生で、現在でも時々学校を訪れている、その時たまたま佳代が目に止まったのだった。
「白石家に奉公にきている書生の世話をしてくれないか。あなたは学のある人間のようだし、きっと彼とも話が合うだろう」
 そんな昭子の言葉に、佳代は一も二もなく飛びついた。それほどまでに異様なスカウトであり、このチャンスを逃せば二度とこんな仕事には就けないと思われた。そういえば、白石家に書生がいたなんて話を聞いたことがあっただろうか、と、そんなことが少々気にはなったが、まあそれも些細なことだ。
 こうして佳代は白石家の女中となり、後に彼女の人生を大きく変えることになる書生、愁一と出会うことになる。
「はじめまして。貴女が、新しく入ったという方ですね」
 生白い男であった。あるいは女である私よりも白いかもしれない、と、佳代はぼんやりと思った。青ざめた肌の中で、微笑みをたたえた唇だけが妙に赤い。
「佳代と申します。色々至らぬ点もあるとは思いますが、どうぞよろしくお願いします」
 深々と頭を下げれば、そんなに畏まらないでください、と愁一はにっこりと笑って見せる。綺麗な、まるで作り物の人形のように整った笑顔。
「私もこの家に世話になっている身。長い付き合いになるでしょうし、仲良くやれたらいいですね」



 意気込んで女中になった佳代であるが、意外にも彼女に割り当てられた仕事は少ない。厨房や本邸の管理は古参の女中が仕切っているため、給仕と離れの掃除くらいしか仕事がないのだ。愁一は、昼間は二階にある自分の書斎に篭りきりなので、日中彼女は廊下や水回りの掃除をして過ごすことが多かった。大豪邸の白石家のこと、離れといってもそこそこ広さはあったが、それでも掃除だけでは時間が余りがちである。
「今日はなにしてすごそうかなぁ」
 廊下のワックスがけは先週、窓ふきに至っては一昨日やったばかりである。仕事を探してウロウロしていると、見かねた昭子が「ちょっと来てくれる?」と声をかけた。
「主人の拓造様から、本邸の本をいくつか離れに持っていって欲しいと仰せつかっているの。重くて大変だと思うけど、時間があるならちょっと頼まれてくれないかしら」
「あ、はい! 任せてください!」
 とん、と胸を叩いて見せると、昭子はほっとしたような顔をした。
「ありがとう。正直他の仕事でいっぱいいっぱいだったから助かるわ。拓造様、今なら本邸の書斎にいらっしゃるから、詳しいことは本人から聞いて頂戴」
「わかりました」
 頷いて、本邸へと足を進める。離れのそれよりも重厚に作られた扉の前で深呼吸を一つ。
「女中の佳代です。拓造様今よろしいでしょうか?」
「ああ、入れ」
 そっと扉を押し開けると、書き物をしていたらしい拓造と目があった。深く刻まれたしわと、威圧感さえ感じさせるほどの眼光に自然と背中が伸びる。
「して、何用だ?」
「離れに運ぶ本があると伺いました。今受け取ってもよろしいでしょうか?」
 拓造は、何も言わずにすっと視線を横にずらした。見れば、机の端に書物が山を作っている。
「ここに積んであるのがそうだ。持って行きなさい。それと、愁一に、後で私の所に来るよう伝えておいてくれ」
「かしこまりました」
 緊張で若干ぎくしゃくしながらも本を受け取る。拓造はそれを何とはなしに見ていたが、しばらくしてから平坦な声で尋ねた。
「君はあれの女中だったな。どうだ? うまくやれているか」
 あれ? と佳代は目を瞬かせ、すぐに愁一のことだと気づいて、
「は、はい! 愁一様にはとても良くしていただいて……!」
「そうか。それならいい」
 無表情に頷き、それきり興味を失ったように書き物に戻った拓造に、佳代は小さく首を傾げた。あれ、という言い方は、自宅に奉公に来ている書生を指して言うには随分冷たい響きを伴っていたが、はて。
――考えた末、佳代は「もしかしたら喧嘩でもしている最中なのかもしれない」と結論付けたようだった。良くも悪くも純粋な少女である。



 その後、「失礼します」と言って本邸を辞した佳代は、重たい本の山を抱えたままえっちらおっちら渡り廊下を歩いていた。
「わかってたけど、やっぱり重いなぁ……」
 ため息をついて本の山を睨む。なんとかここまでは運べたが、今から階段を登らないといけないことを思うと涙が出そうだ。いったん本を床に下ろしてぐるりと肩をまわす。
「大丈夫ですか?」
 突然頭上から降ってきた声に、佳代ははっとして視線を向けた。階段の上に愁一が立っていた。脇に積まれた本の山に目を留め、事情を察したのかその表情が嬉しそうにほころぶ。
「拓造様に頼んでいた本、持ってきてくれたんですね」
 そう言って、心なしか普段より早足で降りてきたかと思うと、佳代が制止する間もなくひょい、と本を担ぎ上げてしまった。
「わ! し、愁一様? 私が運びますから大丈夫ですよ!?」
 わたわたと焦った様子で手を振り回す佳代に、いえ、と小さく首を振り、
「こんな重いものを女の子に運ばせるわけにはいきません」
 これでも私も男ですから、とふわりと笑った。一瞬その微笑に見惚れ、ぶんぶんと頭を振って雑念を追いやる。
「だからって甘えるわけには……せめて半分持たせてください」
 その言葉に、愁一はふむ、と少し考え込んだ。佳代の立場を考慮したのだろう、「そういうことならお願いします」と、それでも半分より少ない量を佳代に手渡し、くるりと踵を返して階段に足をかける。
 ピン、と背筋を伸ばしたまま、本の重さを感じさせない身軽さで登っていく背中を、佳代は慌てて追いかけた。
「それにしてもすごい量ですね。これ、全部勉強に使う本なんですか?」
「というよりは、今読んでいる本への理解を深めるためにお借りしたものです。私の専門は日本文学なのですが、古典作品の中には当時の風習や価値観を知らないと、なかなか背景を理解できないことがあるので。理解の助けになるような本を貸していただけるようかけ合っていたんです」
「ああ、じゃあこれ民俗学の資料なんですか? 確か、あれも伝承をもとにして当時の生活文化を明らかにする学問でしたよね」
 そう言うと、愁一は「よく知っていますね」と目を丸くした。
「確かに、この本はほとんどが民俗学の入門書です。まだ始まったばかりの研究なので、知らない人も多いのですが」
「実は、私の友人にも、民俗学を専門に研究している人が居るんです。民俗学の中でも主に宗教や怪談を蒐集していて、家にはその手の本ばっかり」
 実家の近所に住んでいる、少し変わり者の友人を思い出す。名を和泉といって、八年前にこの村に越してきた佳代に色々よくしてくれた恩人だ。
 愁一も彼に興味を持ったのか、くすくすと控えめな笑い声を漏らした。
「それは、なかなか変わった趣味をお持ちのようですね。面白そうな方だ」
「いつか、機会があったら紹介しますね」
 そんな話をしているうちに、運び込んだ本は全て本棚に収まった。ずらりと並ぶ背表紙によし、と頷き、拓造からの言付けを思い出して愁一に伝える。
「そうですか。お礼も言いたかったしちょうど良かった。それでは行ってきますね。その間、この部屋の掃除をお願いしてもいいですか?」
「はい! ピカピカにしておきますね」
 佳代はにっこり笑い、ふと疑問に思ったことを聞いてみる。
「愁一様と拓造様は、どんなお話をされるんですか?」
「基本的には勉学のことを。でも、どうしてそんなことを?」
「愁一様と拓造様が、お二人でいらっしゃるところを見たことがなかったもので、どういう関係なのか少し気になって」
 先程のこともあったが、そもそも佳代はずいぶん前からふたりの関係を疑問に思っていた。立派な書斎付きの離れを与え、女中まで付けているのに、当の拓造は不干渉を貫いている。まるで愁一のことなど興味がないのではないかと疑うほどだ。
 それに対し、愁一の答えは簡潔だった。
「ああ、そういえば言ってなかったですね。拓造さんは私の叔父なんですよ」
「そうなんですか!?」
「ええ。それもあって、彼には昔から色々と便宜を図っていただいているんです」
 それじゃあもうすぐ約束の時間だから、と彼は慌ただしく出かけて行った。その背中を見送り、さて、と腕まくり。壁一面に本棚が置かれ書物がぎゅうぎゅうに詰めこまれた、几帳面そうな見た目を裏切らず神経質なまでに整頓された部屋を見渡し、気合を入れる。
 今日は忙しい一日になりそうだ。



 掃除がひと段落ついたのは、太陽が天頂に差し掛かる頃のこと。本棚のホコリもあらかた落とし、残るは机周りだけになった。山のように積み重なった文献を整理していると、その隙間からはらりと一枚の紙が床に落ちた。
「あれ? なんだろう」
 拾い上げてみると、どうやらそれは写真のようだ。穏やかに微笑む少女と、その手を握りはにかむ子供の姿が写っている。ところどころ色褪せているが、補強や修繕の跡が大切にされていたことを伺わせた。
「それに触るなッ!!」
 激情を孕んだ声が、びいんと部屋の空気を震わせた。いつの間に帰ってきたのか、愁一が大きく肩で息をしながらたっていた。白かった肌にはさっと血の気がさし、眉間には深いシワが刻まれている。普段穏やかな彼の豹変に、佳代はびくりと体を竦ませて固まった。
 愁一はしばらく息を荒げてこちらを睨んでいたが、やがてゆっくりと肩を落とした。目をそらし、感情を抑えた平坦な声でごめんなさい、と呟く。
「恥ずかしいところをお見せしました」
「いえ……。こちらこそ、勝手に入ってごめんなさい」
 佳代は机に置いた写真からそろそろと手を引っ込めつつうつむいた。愁一が歩み寄ってきて、写真を取り上げる。何度か指でなでたあとで、いつも読んでいる本の中にそっと写真を挟み込む間も、彼女はずっと顔をうつむけたままだった。
「姉の写真なんです。もう手元に残っているのがこれしかなくて。もし下手に扱って壊れてしまったらどうしようかと思い、つい怒鳴りつけてしまいました」
 どんどん萎びていく様子を流石に哀れに思ったのか、愁一の声は先程よりはいくぶんか優しい。
「こんなところに忘れていった私の落ち度です。佳代さんは掃除をしに来てくださっただけなのだから、あまり気になさらないでください」
 その言葉に、佳代はおずおずと顔を上げた。安心させるように微笑む愁一の顔に、ようやくほっとした表情を見せる。
「お姉さんがいらっしゃったんですね。今は何をなさっている方なんですか?」
 そう尋ねると、愁一はわずかに言葉を詰まらせた。写真を挟み込んだ本に目を落とし、静かな声で答える。
「姉は、ずいぶん前に亡くなりました」
 佳代ははっと顔を上げた。彼は、切なさと愛しさをいっぱいに含んだ目で見下ろしている。伏せられたまつげが、隠しきれない思慕をたたえてかすかに震えていた。なんて顔をするんだろう。佳代は胸を締め付けられるような苦しさに襲われてそっと息をつめる。
 これではまるで、死人に恋でもしているようじゃないか。



 人は、生きている限り親しい者との別れを避けることなどできない。佳代自身、若い身空でありながらすでに何人か近しい人を喪っている。
 冷たくなった手を握った時の、どこまでも落ちていくような絶望感も、骨壷を抱えた時の、体の支えをすべて外されてしまったような虚脱感も。
 どれだけ思いを募らせても、死人はもう二度と帰ってこないことも、彼女は嫌というほど知っているのだった。
 そんなことを考えていたのが顔に出ていたのだろう。廊下を歩いていると、通りかかった昭子が佳代を呼び止めた。
「いやに暗い顔してるわね。そんな顔をしていると、周りの士気も下がるでしょう。白石家の女中なら、いつもシャンとしてなさい」
「は、はい! ごめんなさい!」
 慌てて姿勢を正すと、昭子はそれでいいのよ、というように少し頬を緩めた。
「何か困っていることがあるなら、一人で抱え込もうとしないで、私に相談してくれてもいいのよ? 話くらいならいつでも聞くから」
 いつもより優しげな昭子の声に、佳代の強張った心が少しほぐれた。うつむいて、ぽつりぽつりと心情を吐露する。
「愁一様から、お姉様のことを聞きました」
「……!」
 鋭く息を飲む昭子をちらりと見やり、弱々しく笑う。
「愁一様は、今でも彼女のことを大切に想っていらっしゃるようでした。お姉様のことを話す時も、今まで見たことがないくらい生き生きしていて。でも」
 どこか浮世離れした青年のことを思い浮かべる。俗世から離れ、書斎に篭もり、時々ぼんやりと遠くを見つめるようにしていた彼。その視線の先には、今は亡き姉の姿があったのではないだろうか。
 今の佳代には、愁一が、穏やかな沈黙に満たされ、まるで時の流れから切り離されたような、この離れという優しい檻の中に自ら望んで囚われているかのような気さえするのだった。
「でも、それが無性に悲しかったんです」
佳代の言葉を聞き終えた昭子は、はぁ、とため息をついて天井を仰いだ。
「お姉様、10年前に亡くなったんだけどね。彼、現場に居合わせていたらしいの。目の前で大事な姉を亡くしたんだもの。その時、心をどこかに置き忘れてきてしまったのかもしれないわね」
 誰だって、悲しい過去の一つや二つ、抱えてるものよね、と昭子はやるせなさそうに呟く。
「私たちには、彼の傷が癒えるまで待つことしかできないわ。貴女も、この件についてはあまり関わらないほうがいい」
 佳代は、その言葉に愕然として昭子を見つめた。少し年老いた女中は憂いを帯びた表情で、目元に深い疲労をにじませている。
「本当に、そうするしかないんでしょうか?」
 気がつけば、佳代はそう口走っていた。
「確かに、時が経てば痛みも風化していくかもしれません。けれど、傷を放置していたら、治るものも治らないんじゃないでしょうか」
「もしそれが正しかったとしても、できることは何もないわ。彼にとっては、私たちはただの女中でしかない」
 言葉は厳しいが、その声音は、少女を気遣うようにどこまでも優しい。その優しさが、佳代の心を滅多打ちにしていた。ただの女中。その言葉を覆せる言葉も根拠も、彼女はまだ持ち合わせていない。
「貴女は、貴女の仕事だけしていればいいのよ」
 最後にそう言い残して、昭子は仕事に戻っていった。佳代は廊下に立ち尽くしたまま、しばらく彼女の言葉を反芻していた。
 確かに、今の私には、何もできないかもしれない。
 けれど、もしいつか彼の孤独を理解する日が来たなら、私は今度こそ彼の力になれるだろうか。





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