６
「オレは花宮真。お前は黒子テツヤだろ？」
「何で僕の名前を？」
「そんなん、調べたからに決まってんだろ？オレはお前をずっとここで見ていたからな」
「は？」
どうやら花宮という人は、ストーカー気質らしい。
いや、完全にストーカーだ。
「ストーカーじゃねーよ！」
「あれ？なんで…」
なんで思ったことが知れているのだろう？
「お前の考えてることなんてバレバレなんだよバァカ！」
「………やっぱりストーカーなんじゃないですか」
「だからちげーつってんだろーが！」
なんだかおかしな人ですね。
僕なんかにかまうだなんて、大概物好きです。
「ふふっ」
「なに笑って！…んだ……よ……」
笑ったのなんて久しぶりです。
しかも、人前で泣くだなんて…。
「おい、どうし……」
「来ないで下さい！……大丈夫ですから」
まだ来ないでほしい。
せめて涙が止まるまでは、
初めて流した、このうれし涙が。
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