7
なんでうれしい?
わからない
なんでわからないの?
わからないよ
うそだ。わかってるくせに。
…嘘じゃないよ、本当にわからないんだ。
わかってるよ。さみしかったんでしょ?
さみしかった?そんなはずない。平和な生活ができて逆に清々してますから。
じゃあなんでないてるの?
なんででしょうね?
さみしかったからじゃないの?
本当は、
みつけてもらいたかったんでしょ?
「花宮さん。いつから僕のことみてたんですか?」
「あ?もう昔過ぎて忘れたな」
「そんなに前から…」
「まあな…」
「そうですか…」
でもわからない。何のとりえもない僕を見続けてたなんて。
「花宮さんはバスケしたことありますか?」
「あたりまえだろ。俺はバスケ部なんだぜ?」
「あ、そうだったんですか」
「そうだ。…本当はキセキの世代を勧誘するために帝光中に来てた。そしてその帰りに、俺はお前に出会った」
「え?」
急に何かを語りだした花宮さんは、なんだかポエミーでちょっと笑えた。
「ていうかキセキの世代勧誘しに来たのにこんなところにいていいんですか?」
「いいんだよ、キセキの世代なんて」
「は?」
急に何を言い出すかと思えばキセキの世代なんでどうでもいい?
ますます意味がわからない。
キセキの世代がどうでもいいって、監督なんかが許さないでしょう。
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