愛の告白【マダオ三蔵シリーズ】2015/01
2015/02/15 22:03
「ーーーーー愛している」
呟いた瞬間、悟空は丸い金色の目をこちらに向けた。吃驚している、その目が雄弁に物語っていた。一秒前まで動いていた洗濯物を畳む手はピタリとその動きをとめた。ただ、それはほんの数秒のことで。
「…今度は何?浮気?借金?」
次いで はぁ、とため息をつかれた。
…心外だ。三蔵にはそのどちらも心当たりはない。ここしばらくの間は、だが。
「違う」
「なら何だよいきなり。吃驚するじゃん」
答えを促している割には、もうすでにその目は三蔵を見ていない。数十秒前と変わらず洗濯物に注がれていた。…面白くない。
「吃驚したか?」
「したよ。三蔵そんなこと今まで言ったことないじゃん…………まさか!タバコ吸いすぎて病気になったとか!?」
ハッと息を飲んでまた三蔵を見つめた。彼の目はなんて艶艶しているのだろうか。甘露飴の色と同じだ。三蔵は頭の片隅でそう考えた。そして。
「…違う」
悟空の顎に親指と人さし指を添えると、ゆっくりとその目を堪能しながら唇を近付けた。
やがて、重ねたそれを愛おしむようにペロリと舐めると、悟空の目は閉じられた。
残念だ、と思う反面また開かせてやればいいとごちて、三蔵は口付けを深くした。
☆☆☆
某掲示板の某板で人気?の「嫁に愛してると言ってみよう」通称パルプンテをしてもらいました。
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