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※シリーズについて補足※

ひまわり【花屋シリーズ】2014/9
2014/10/01 08:05

「咲いたよ!」

太陽がサンサンと輝き始めた日曜日の朝9時ジャスト。
三蔵は布団の中だった。夕べは久しぶりに持ち帰りの仕事を遅くまでこなし、疲れていたのだ。どうせ今日は休日、昼過ぎまで惰眠を貪ってやろう、と計画していたのだが。
呼び鈴を何度も押され、中にいる住人の安眠を妨害しておいて、朝の挨拶もなく笑顔で告げられた冒頭の言葉に頭にきた三蔵はその茶色の頭にハリセンを炸裂させた。

「いってえええええ!!」
「うるせぇ喚くな!騒がしい!!」
「なんだよ三蔵!いきなり叩くなんてこのオーボーボーズ!」
「坊主じゃねぇ!」
「あ、そっか。」

ハリセンの落ちた箇所を手のひらで撫でながら、悟空は唇を尖らせた。
一方の三蔵は髪に寝ぐせを付けたまま、Tシャツにスエットの出で立ち。
悟空はマズイ!と顔をしかめたが、後の祭りだ。

「三蔵、もしかして、ほんとにもしかしてなんだけど」
「ああ?」
「昨日夜持ち帰りの仕事とかしてた?」
「……ああ」
「夜寝るの遅かったりしてた?」
「……ああ」
「そいで今日は昼過ぎまで寝ようとしてたり?」
「……ああ」
「…俺、起こしちゃった…?」

イライラと伏し目がちに悟空の話を聞いていた三蔵が、ああ、と即座に頷こうとした瞬間。
目の前の悟空の表情が目に飛び込んできた。
しょんぼりと、いつもの元気は何処へやら。気の毒なほど肩を落としている悟空の姿。
三蔵ははぁ、と溜息をついた。そして。

「……何が咲いたんだ」
「え?」
「テメェがそれで俺を起こしたんだろうが!何か咲いたっつってただろうが!」
「ああ!あ!アレだよ三蔵にもらったヒマワリ!」
「………あ。」
「…だから、その、約束通り…メシ、連れて行ってな?」

真っ赤になって最後は消え入るように呟かれた悟空の言葉に、三蔵もつられて赤くなった。



☆☆☆
咲きました!
これからじわじわとくっつく予定



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