14 鹿衣と喧嘩の結末


「いつの間にか戦ってるし・・・」

双獅と鷹明がお互いに殴り合っているが、周りはもう慣れているのか、誰も止めようとしない。

水城が止めようか、と迷っていると一人の女の子が近寄ってきた。

「姫様っ!えへへ、はじめまして!鹿衣(かい)です!」

にっこりと笑うその子に、水城は笑顔を返す。

「よろしくね、鹿衣ちゃん」

そう言うと、その子は笑顔を曇らせた。

「あ・・・姫様、僕、男だよ?」

「・・・え?」

そう言われて、改めて鹿衣をじっくりと見る。

髪は毛先の方だけフワフワとしていて、ピンクと茶色の混じった色が可愛らしさをかもし出している。

顔は文句の付けようがないほど、可愛い。

目もパッチリ二重で、唇は薄くも厚くもなく、形がよくて・・・

見れば見るほど女の子に見えてくる。

「えっと・・・じゃぁ、鹿衣君?」

「うん!よろしくね、姫様!!」

花が咲くような笑顔を見ると、やっぱり女の子にしか思えない。

でも男の子らしい雰囲気もあって・・・

よくわからない。

「姫様?」

「えっ・・・あ、ごめん。少し考え事、してたから」

「うん。別にそれは良いんだけど・・・そろそろあそこ、止めないと鷹明、死んじゃうよ?」

鹿衣が指差す方向に目をやる。




「いだだだだ!!ちょっ・・・まっ・・・いでっ!!痛い!ホントちょっとまっ、あ゛あ゛いだだだだだ!!」




そこには一方的に鷹明を踏みつけている双獅がいた。






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