強がり。

俺がもっとか弱いおんなだったら貴方は
俺だけを見ていてくれたのだろうか?

俺が、もっと............





「ミツバが倒れた?」

今日は日曜日。
土方と唯一1日一緒にいられる日。
今日もいつもと変わりなく俺は屯所に来ていて、
土方とイチャイチャしていた。

お昼を過ぎた頃かな?ジミーくんが部屋に来て
土方の元恋人...沖田くんの姉であるミツバが倒れたと。
最近、ミツバは江戸に来ていて、俺は沖田くんに紹介され会っていた。
あえて、ミツバには俺が土方の恋人だとは言わなかった。
だって、わかってしまったから。
「十四郎さんは元気?」、そう土方のことを楽しそうに話す彼女の目は
恋をしている目であったからである。

ミツバはいいやつだ。
いつも自分より他人のことを心配していて、
清楚で女性らしく...滅多に怒る事もないし
手を口元に当てて上品に笑うところとか女性ものの着物が似合うところとか...
誰もが一度は恋人にしたい女である。

それに比べて俺は、銀色...いや白い髪に寝癖もあるけどわからないくらいの天パ。
下品なくらいに胸の谷間が見えるまでインナーのファスナーをあけてるし、
下品な座り方、笑い方。すぐ怒ったり嫉妬とかするし。
ミツバに勝てるところなんて一つもない。

きっと、ミツバが土方に寄りを戻そうなんて言ったら
彼奴はきっとミツバを選んでしまう。
そんな焦りが俺の中にあった。


「はい....もう今夜が山かと。」

「..........」

土方はジミーくんから告げられた言葉にショックを受けている様だった。
ミツバは今夜中にはいなくなってしまう。
....本当は気づいていた。
土方は俺と確かに付き合っている..けど、その心の奥に俺以外の女の存在があること。
きっと、土方は今すぐミツバのところへ行きたいと思う。
だけど、隣にいる俺がその気持ちを邪魔している。




邪魔者はだれ??











邪魔者は............俺だ。












「土方、」


名前を呼んでやると大袈裟な程肩が揺れた。
そんな焦ってると鈍いやつでもわかっちゃうよ。

いつか、こうなることはわかってたじゃないか。
だからね、俺準備してたんだよ、最後の笑顔。



「行けよ。ミツバのところ。」

「な、に....言ってんだよ。」

「お前ら、両思いだぜ?だからさ、こんなところでうつつを抜かしてたらダメだろ??
もうタイムミリットは近いんだからさ、」

「何言ってんだよ、俺の好きな奴は....」

汗をたらり、と垂らして言葉を詰まらせる土方。
うん、もういいから。それだけで、嬉しいから。

「ミツバ、だろ?俺、気付いてた。本当はお前がミツバを好きなこと。
別れた、とか言ってたけど本当は好きだったこと。」

「...っ、」

「今なら許すから。ミツバが死んじまう前に行ってやれ!!、会って、抱きしめてやれよ!!、 早く....俺の前から消えろ!!」

最後のほうはもう涙が溢れ出していて、掠れた声で叫んでいた。

土方は小さく、御免。というと俺のとなりを通り過ぎて走っていく。

下唇を噛み締めて涙を裾で拭く。






愛してたよ、土方。







バイバイ。











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原作設定じゃないですよね、これp^。
本当にすみませんorz

happyend偏はまた書きたいと思います。
本当、期待にそれず申し訳ありませんんんん、

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