■ 最低な彼奴。

「え、」
「俺、土方のこと...好き。」

春。
それは新しい年でもあり、
さよならの年でもある。

俺は中学3年生、完全な受験生。
季節は冬から春になりかけていて、
もう1ヶ月ちょっとで卒業である。



「え、じゃあ銀ちゃん告白したアルか!?」
「うん、」
「へ、返事はどうだったんですか?」
「あー...駄目だった。」
「そうアルか...でも大丈夫アル。銀ちゃん可愛いから次がアルよ。」
「そうですよ、元気出してください。」
「さんきゅ。」


俺は、2ヶ月前から同じクラスの土方十四郎が気になっていた。
でも相手は絶対自分のこと友達としか思ってないから告白はしないと決めていた。
けれど、みんなに背中を押され俺は告白することに。
返事は「御免。」
それでも友達でいよう、と手紙に書いたから友達に戻ろうと考えいた。

ふられた次の日の掃除の時間、
沖田くんと俺が古紙を捨てに2人で歩いていると、沖田くんが口を開いた。
「そういえば旦那ァ、土方の野郎、後悔してましたぜ。」
「え?後悔?」
「旦那をふったこと。よかったじゃねぇですかィ。
まだ見込みありますぜ、もうちょっと頑張ってみて下せェ。」
「っへ...、」

後悔してる、ってもしかして....
ちょっと...頑張ってみようかな。


こうして、俺はふられたわけだけどちょっと頑張ってみることにした。
毎日話しかけるという目標を作って毎日達成させた。
バレンタインデーは手作りのチョコをプレゼントした。
俺なりに頑張ったと思う。

そんなある日、同じクラスメイトの「青葉」と言う奴と話していた。
「え、告白したんだ?」
「うん、結構前だけどな、」
「そっかぁ」
「そういえば、青葉は好きなやついねーの??」
「っへ!? や、言ったら銀ちゃん怒るから。」
「おこんねーから言ってみ? え、もしかして...」
「ひ、じかたかなぁって....」

青葉は後ろの席でよく話す。
おとなしくて、可愛くて...俺なんかよりも何倍も女らしい。
そんな子と好きな人がかぶるなんて...

「そっか...でも、俺ずっと友達だからな?
青葉が好きでも俺引く気ねーし。 ほら、友達と書いてライバルと読む、
みたいな」
「あはは!! そうだね!!」

冗談ぽく言ったけど実は不安でいっぱいだった。
「あのね、あたし。後悔はしたくないから、告白しようと思うんだけど。」
「え、あ、そうなんだ。いつ??」
「3月の始め。」

3月の始め...あと3日。
それから俺は、このことを親友の新八と神楽、それから恋愛相談をいつもしていた沖田に話した。
「へぇ...でも私、マヨラーはふると思うネ。」
「僕もふると思います。これ、銀さんにも失礼かもしれないですけど、
土方さん今、誰も好きじゃないと思いますし。」
「俺もそー思いやすね。土方のヤローは断ると思います。」

みんなが一斉に口を揃えて言うので俺は大丈夫かな、なんて思っていた。
あと2日。
それから時が進むのは早かった。
青葉は放課後、土方に告白して...
返事の日がやってきた。

俺は取り敢えず帰ったんだけど、先生と話してたから出るのが遅くなった。
すると玄関に青葉がいて、

「青葉!」
「あ、銀ちゃん、」
「返事、どうだった??」
「えー、あ...いや、ね。うん。




付き合うことになりました。」



は?
俺は目を見開いた。
だって、嘘....

「よ、かったじゃん!おめでとう。」
「え、うん、有難う。嬉しいけどなんか...罪悪感ー」
「そんなこと言うなってよかったじゃん。」

そんときは笑えた。笑えたけどさ、
もう笑えねーよ。




それから次の日になって、俺は普通に挨拶した。
相手は気まずそうだった。
でも、青葉をとったことは事実だし、対して気にしてなかった。
ひっそりと思ってるぐらい大丈夫。


そして暫く経ったある日、また沖田くんと俺が古紙を捨てに廊下を歩いていた。
「旦那、すいやせん、無責任なこと...でも、次がありまさァ。頑張ってくだせェ。
それから、プチ情報教えてやりまさァ、」
「プチ情報?」
「俺が、青葉に土方が告られた日、「青葉か旦那か、どちらかが泣くハメになりやすねー」って言ったんでさァ。そうしたら土方、「まぁ、青葉を泣かすのはなぁ?」て言ったんでさァ。」

え、ナニソレ。
それってさ、所謂...
俺は泣いていいってこと?
俺は別に泣いてもどーでもいいんだ。
そか、土方は俺のこと、その程度にしか思ってねーのか。

その時俺は、辛くも悲しくもなかった。
ただ、ふつりふつり、と怒りだけが湧き上がってきた。





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これは、私が恋愛話ですp^
実話ww
銀ちゃんは私の立場です。
なんかやっぱりリアルにかけますね、実話は。

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